『空ノ鐘の響く惑星で』(渡瀬草一郎/メディアワークス/ISBN:4840224870)

「パラサイトムーン」や「陰陽ノ京」シリーズでおなじみの渡瀬草一郎が、持ち前の「国語力」と「構成力」を駆使して描き出す、壮大なファンタジー巨編の第1巻。
月から鐘に似た音が降ってきたり、貴族どうしの権力争いがあったり、そんな中で「ボーイ・ミーツ・ガール」があったりと、盛りだくさんすぎてややこしくなりがちないわゆる「異世界群像(戦記)モノ」ですが、この人の「国語の成績のよさ」がライトノベル作家の中でもかなりのものなので、とりあえず安心して読めます。主人公にヒロインその1がなつくところや幼馴染が実は……だった!というところなどの描写では、思わず顔がほころんでしまうし、クライマックスの戦いのあたりは手に汗握る展開だし、ホントに面白かった! もちろん、魅力的な(萌える)女性キャラもたくさん登場します。とにかく続きが楽しみな一冊。